犬の歯が折れたらどうする? |原因と放置したときの危険性を解説
「犬が硬いおもちゃを噛んでいるけど安全なの?」
「犬の歯に赤黒い部分がある気がする」
「歯が折れたけど、すぐに病院に行くべきか迷っている」
愛犬の歯についてこのようにご心配される飼い主さんも多いと思います。
犬の歯が折れた場合、時間とともに細菌感染が進み、さまざまな疾患につながる可能性があることをご存じでしょうか。
今回は
- 犬の歯が折れる原因
- 放置したときの危険性
- 折れるのを防ぐ方法
について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、適切な対応にお役立ていただければ幸いです。

犬の歯は意外と折れやすい
犬の歯は頑丈そうに見えますが、実は意外と折れやすい構造をしています。
犬の咬む力は小型犬で人の約5~6倍、大型犬では約8~10倍にも達します。一方、歯の表面にあるエナメル質は人と比べて非常に薄く、1/25〜1/250しかありません。
犬は咬む力が強いのに歯が脆いという特徴があり、硬いものを日常的に噛んでいると破折(歯が折れること)のリスクが高まります。
犬の歯が折れる主な原因
犬の歯が折れる原因の90%以上が「硬いものを噛んだこと」によるものです。
具体的には以下のようなものが挙げられます。
- 硬いおもちゃ
- 骨
- 硬い歯磨きガム
- 金属製のケージ
- その他硬い食べ物
市販のペット用品だからといって、すべてが安全とは限りません。
実際には、犬の歯を傷める可能性がある硬さの製品も多く流通しています。
また、硬いものを噛む以外にも、交通事故や高いところからの落下で歯が折れるケースもあります。
硬いものを与えていなくても、「愛犬がぐったりしている」「口を触るのを嫌がる」など普段と違う様子が見られた場合は上記のようなことが原因かもしれません。
折れやすい歯の種類
すべての歯で破折が起こる可能性はありますが、特に折れやすい歯があります。
最も破折しやすいのは上顎第四前臼歯です。
この歯は上顎の奥にある一番大きな歯で、食べものを噛み切る役割があります。
犬が硬いものをかむときはこの歯を使うため、他の歯よりも傷つくリスクが高くなっています。
次に折れやすいのが犬歯です。
犬歯は象徴的で目立つ歯なので、折れてしまうと見た目の変化も大きくなります。
これらの歯は日常的におもちゃを噛んだり食事をしたりする際によく使われるため、硬いものを与え続けていると知らないうちに破折していることがあります。

犬の歯が折れた時の症状
犬は歯が欠けても人のように「歯が痛い」「歯がしみる」などの症状をあまり示しません。
そのため飼い主が異常に気付かず、動物病院での検診などで偶然発見されることも多いです。
ただし、よく観察すると以下のような行動が見られることがあります。
- 食事やおやつを食べる際に痛がる
- 食べ方に違和感がある
- 口を触られるのを嫌がる
- 歯磨きを嫌がるようになる
- よだれが異常に出ている
また、歯髄(歯の内部にある神経や血管を含む組織)が露出している場合、折れた部分からピンク色や黒色の組織が見えることがあります。
歯髄の露出は細菌感染につながるため早期治療が重要です。
日頃から口の中を意識的にチェックし、行動の変化に目を向けることが大切ですね。
折れた歯を放置する危険性
歯が折れて歯髄が露出した状態を放置すると、細菌感染が時間とともに進行していきます。
歯根部まで感染が広がると炎症を起こし、重度の場合には膿がたまって顔面が腫れたり、膿性の鼻汁やくしゃみが見られることもあります。
また、進行すると頬や顎に穴が空いたり(外歯瘻)、歯茎に穴が空いたり(内歯瘻)するケースもあります。
さらに怖いのが、細菌感染が他の臓器にまで進行し、重大な疾患を引き起こす要因となることです。
「少し欠けているだけだから平気だろう」「乳歯だしそのうち生え変わるから大丈夫」と自己判断せず、ぜひ早めにご相談ください。
日頃からできる予防策
最も重要な予防策は、硬いものを与えないことです。
「犬用」
「歯に良い」
「歯周病の予防になる」
などの表示で販売されているからといって、すべてが安全というわけではありません。
安全な硬さの確認方法として、
- 親指の爪で強く押してみる
- キッチンバサミで試し切りしてみる
という2つの方法がよく挙げられます。
爪で少しでもへこむようであれば比較的安全ですし、家庭用のハサミで切れる程度の硬さであれば歯への負担が少ないといえます。
普段からあまり硬いものを噛ませないようにすることだけでなく、散歩時に硬い木の枝や石などを咥えないようにしつけることも大切です。
日頃から口の中のチェックを心がけ、異常の早期発見に努めましょう。
週に1回程度、歯磨きの際などに歯の状態を確認する習慣をつけることもお勧めです。
また、定期的に動物病院で検診を受けることも有効です。
年に1〜2回の健康診断の際には、口腔内のチェックも一緒に受けることができます。
できることから始めて、愛犬の歯の健康を守っていきましょう。

犬の歯が折れたらすぐに動物病院へ
繰り返しになりますが、犬の歯が折れたり欠けたりしていることが分かったら、できるだけ早めの受診と治療を推奨します。
犬では24時間以内に歯髄が炎症を生じることもあるため、歯が折れたのを発見したら早期受診を心がけていただければ幸いです。
早期治療であれば歯を残せる可能性も高まります。
歯について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

