犬に人の歯磨き粉は使えない?|注意したい成分と歯のケアの基本
「犬に人の歯磨き粉を使ってもいいの?」
「子ども用の歯磨き粉だったら使えるかな?」
犬の歯磨きをいざ始めようとしたとき、ふとこのような疑問が浮かぶことがあるかもしれません。
人の歯磨き粉は身近にあるものなので、つい犬も同じように考えて代用してしまいそうになりますよね。
しかし、人の歯磨き粉には、犬にとって有害となる成分が含まれている場合があり注意が必要です。
この記事では、人の歯磨き粉が犬に適さない理由と犬のデンタルケアについて解説します。
歯磨きが苦手な犬へのケア方法についても触れていますので、理解を深めるきっかけになれば幸いです。
犬の歯磨きはどのくらい重要?
犬の歯磨きは、歯周病を予防するために重要な役割を担っています。
犬の歯周病は、歯垢に含まれる細菌をきっかけに歯ぐきに炎症が起こる病気です。
犬では人と比べて歯垢が短期間で歯石になりやすく、歯石が形成されると炎症が長引きやすくなります。
このような炎症は、歯を支える組織に影響を及ぼし、歯周病の進行させることが一般的です。
歯周病では、口の痛みや出血などの症状が食べにくさにつながることがよくみられます。
また、歯周病による慢性的な炎症や細菌が、血流を通じて全身の健康に影響を及ぼす可能性もあります。
歯石は一度形成されると家庭では除去できず、麻酔をかけて病院で歯科処置を行うことが必要です。
このような背景から、歯磨きは歯石になる前の段階でトラブルを防ぐために欠かせません。
人の歯磨き粉を犬に使ってはいけない理由
人の歯磨き粉の成分や使用方法は、人が使うことを前提に設計されたものです。
犬は歯磨き粉を吐き出すことができないので含まれる成分をそのまま飲み込んでしまいます。
そのため、人では問題にならない成分や量であっても犬では体に負担がかかるおそれがあります。
また、刺激の強さや使い続けやすさの点でも、犬には人の歯磨き粉は適していません。
人の歯磨き粉に含まれる3つの注意すべき成分は、以下の通りです。
- キシリトール
- フッ素
- 発泡剤や香味料
キシリトール
キシリトールは、人では歯磨き粉やガムに使われている甘味料です。
しかし犬では、人と体の反応の仕組みの違いから、低血糖を起こすことがしられています。
ふらつきやけいれんの症状がでたり、場合によっては命に関わる状態につながることがあります。
このため、キシリトールを含む歯磨き粉は犬にはとても害があるため使用できません。
フッ素
フッ素は、人では虫歯予防を目的として歯磨き粉に使用されています。
しかし、犬にとっては必要性や安全性が十分に確認されている成分ではありません。
摂取した量を管理することが難しい点からも、犬の歯磨きには適した成分とは考えにくいとされます。
発泡剤や香味料
人の歯磨き粉には泡立ちをよくするための発泡剤や、強い香味料がよく使われています。
犬にとっては、これらの刺激が違和感や不快感につながりやすいとされる成分です。
犬は歯磨きのたびにストレスを感じることで歯磨きそのものを嫌がるようになる可能性があります。

犬の歯磨きには何を使うのがいい?
歯磨きができる犬では、歯垢を減らす最も効果的な方法として歯ブラシを使用することがおすすめです。
歯ブラシは犬専用のものを選び、犬が受け入れやすいタイプのものを選んで使用しましょう。
歯磨き粉を使う場合は、犬が飲み込むことを前提に作られた犬専用の製品を選ぶのがおすすめです。
歯磨き粉は必須ではありませんが、味や香りによって歯磨きを受け入れやすくなります。
理想的には歯磨きの頻度は毎日ですが、週に数回でも効果が期待できます。
無理のないペースで歯磨きを習慣にしていくことは、歯の健康を保つうえで重要です。
歯磨きが苦手な犬のためのケア方法
歯ブラシでの歯磨きが難しい犬では、できる範囲で補助的なデンタルケアを取り入れることが大切です。
何もできない状態が続くよりも、口の中のトラブルを減らす助けになります。
歯磨きと一緒に、あるいは補助として使用できる方法は、以下の通りです。
- 歯磨きシート
- デンタルジェル
- デンタルガム
歯磨きシート
歯磨きシートは指に巻いて使うため歯ブラシより刺激が少なく、口に触れる練習に有効です。
歯垢を取りのぞく力は劣りますが、歯の表面の汚れを減らすことができます。
デンタルジェル
デンタルジェルは、歯垢は除去できませんが細菌の増殖を抑える成分を含みます。
歯磨きに慣れるまでの期間、歯ブラシが使えない時期などに活用が可能です。
デンタルガム
デンタルガムは、噛み方に個体差がありますが歯垢の付着を減らす助けとなります。
噛む時間が確保でき、歯に当たりやすく工夫された形のものを選ぶことがポイントです。
歯磨きが苦手な犬では、できるケアを組み合わせ、続けやすい方法を選んでいきましょう。
迷った場合は獣医師に相談し、定期的な検診や歯科処置も必要に応じて検討することもおすすめです。

まとめ
犬の歯周病は、歯垢に含まれる細菌をきっかけに進行する身近な口のトラブルのひとつです。
犬は歯石ができやすいため、普段からのケアを続けることが歯周病予防につながります。
歯磨きは歯ブラシを中心に補助的なケアを取り入れて、続けやすい方法を選ぶことが大切です。
その子の性格や口の状態に合った方法を選び、継続できる形を獣医師と見つけていきましょう。
当院では、歯の健康を通して犬の快適な生活を支える診療を心がけています。
日常の歯のケアやお口のことで気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

