猫の口が臭う!猫の口臭の原因とその対策について解説します
「最近愛猫の口の臭いが気になる。」
「もとから口臭はあったけど、だんだん強くなってきている気がする。 」
「あくびの時の臭いがきつい。」
このように感じたことのある飼い主様は多いのではないでしょうか。
猫はもともと口臭がある子もいますが、強い口臭が続く場合には病気が隠れていることもあります。
今回は、猫の口臭の主な病気と、その原因や対処法について、歯科診療の観点から解説します。
猫の口臭が気になる方は、ぜひこの記事を最後まで読んでいただき、ご家族が適切に対処できるように備えましょう。
また、この記事を読んで当てはまる症状が多いなと感じた場合は、動物病院で一度相談してみましょう。

猫の口臭の原因
猫の口が臭う場合に考えられる代表的な病気は、
- 歯周病
- 歯肉口内炎
- 腎臓病
- 糖尿病
などです。
このなかでも特に多いのが、歯周病と歯肉口内炎です。
歯周病
中齢から高齢の猫では歯周病をもっている子の割合はとても高いです。
歯周病は、歯の表面についた歯垢から始まります。歯周病の歯茎の炎症は、歯垢が時間をかけて歯石となり、そこに細菌感染が起こることが原因です。
歯周病が進行すると、
- 口臭が強くなる
- ご飯を食べに行くが、すぐに食べるのをやめてしまう
- 顔や口元を触られるのを嫌がるようになる
- 硬いフードより柔らかいフードを好むようになる
- よだれに血がまじる
などの症状がみられることがあります。
また、症状がない場合にも、歯茎を確認すると赤く腫れて歯周病になっている場合があります。
歯肉口内炎
歯肉口内炎は中齢での発症が多く、歯茎や口の粘膜に強い炎症が起こる病気です。
歯周病とは異なり、歯茎だけでなく口の奥の粘膜まで炎症が広がることもあるため、一般的に痛みが強いことが多いです。
免疫反応が関与していると考えられており、多頭飼育の猫で多いとされています。
症状としては、歯周病の症状に加えて
- 性格が攻撃的になる
- 体重の減少
- 毛艶が悪くなる
などがみられます。
猫の歯周病と歯肉口内炎の治療
猫の歯周病と歯肉口内炎の治療は、その子の状態や症状に合わせて行うことが重要です。
それぞれの治療法について解説します。
歯周病
歯周病の治療は、歯石の除去(スケーリング)と歯茎の炎症を抑えることが基本です。
歯石は一度ついてしまうと、歯ブラシで取り除くことはできません。
動物病院で、歯石を除去するための専用の機器を使用して取り除きます。
また、歯周病が進行している場合には、
- 抜歯
- 抗菌薬の投与
- 歯周ポケットの洗浄
などの処置が必要となることがあります。
スケーリングには、基本的に麻酔が必要となるため、高齢の猫やほかの疾患をもっている猫にはできない場合があります。
自分の猫が麻酔をかけられない場合に、治療法がないのか心配になりますよね。
麻酔が難しいと判断した場合は、内服の抗菌薬や炎症を抑える薬を組み合わせた内科療法を選択することがあります。
その子の年齢や麻酔前の検査の結果、全身状態などをみて最適な治療を選択させていただきます。
スケーリングの注意点としては、スケーリングの間隔を十分にあけずに行うと、歯石がつきやすくなってしまうことがあります。
スケーラーで歯石を削る際に、歯の表面も多少削れてしまうため、微細な傷に歯垢が溜まりやすくなってしまうためです。
少しの歯石で毎回スケーリングを行うと、どんどん歯が削れて歯石がつきやすくなったと感じることがあります。
歯科処置の間隔については獣医師と相談しながら行いましょう。
歯肉口内炎
歯肉口内炎の治療は、歯周病の治療であるスケーリングに加えて抜歯を行うことが基本です。
根治を目指すには、炎症の引き金となる口腔内の細菌や、ウイルスなどの微生物をできる限り除去することが望ましいです。
口腔内の微生物は、歯の周囲に多く存在するため、抜歯が唯一の根治を見込める治療法となります。
しかし、なかには抜歯を行っても症状がおさまらない子や、年齢や持病などが理由で麻酔をかけられない子がいます。
その場合は、内科治療として
- 抗炎症薬
- 免疫抑制剤
- 抗菌薬
- 抗ウイルス薬
- 鎮痛薬
などを組み合わせて、症状を抑える治療をすることもあります。
一般的に、歯周病と比較すると、症状が重い場合が多いため、治療が長期になる可能性が高いです。
また、スケーリングと比較して抜歯は麻酔の時間が長くなる傾向にあります。
麻酔に関して心配のある方は、事前に獣医師に相談しましょう。

猫の口腔疾患を予防するには
猫の口腔疾患を予防するのに効果的なのは、毎日の歯磨きです。
子猫の時から歯磨きに慣れさせておくことで、成猫になってからも歯磨きしやすくなります。
ただし、日常的に歯磨きを行うのは難しいため、
- デンタルケアのできるサプリ
- デンタルチュール
- 定期的な歯科チェック
などを組み合わせて行うことが大事です。
動物病院に行った際に、歯のチェックも一緒にお願いすると良いでしょう。
歯周病を繰り返す子に関しては、フードを歯科専用の療法食に変更したり、ウェットタイプを控えてドライタイプのものにすると、歯石がつきにくくなることもあります。
猫の性格に合った方法を獣医師と相談しながら見つけていけると良いですね。

まとめ
猫の口臭の主な理由として、歯周病や歯肉口内炎が隠れていることがあります。
「少し匂うだけだから大丈夫かな」と様子を見ているうちに病気が進行してしまうケースもあります。
口臭が強いなと感じたら、早めに対応することで、猫の口内環境や快適な食事の時間を守ることができます。
愛猫が健康な歯で長く食事を楽しめるように、日頃から口内の状態をチェックしてあげましょう。
当院では歯科診療に力を入れており、専用の検査機器を用いながら、丁寧に診察いたします。
歯石や歯肉の赤みなどの小さな変化でもお気軽にご相談ください。
麻酔や投薬が難しいと感じる方も、その子に合わせた治療をご提案させていただきますので、安心してご来院ください。

