猫の口の痛み|考えられる原因や対処法について獣医師が解説

毛繕いをしている茶色い猫

猫が口を痛そうにしている様子を見たことはありませんか?
「猫がくちゃくちゃと口を動かして痛そうにしている。」
「猫が口を痛そうにしてよくよだれを垂らすようになった。」
このようなお悩みをお持ちの飼い主様もいらっしゃると思います。
猫は口が痛いと食欲が無くなってしまったり、元気がないように見えることもあって心配ですよね。

今回は猫の口の痛みについて原因や対処法を解説いたします。
ぜひ最後までお読みいただき、猫の口の健康を守るための知識を深めていただければ幸いです。

猫の口の痛みのサイン

猫は口が痛いときに様々なサインを示します。
例えば

  • 何も食べていない時に口をクチャクチャと動かす
  • よだれの量が増える
  • 口臭が強くなる
  • 食欲が落ちる
  • 物を噛むときに痛そうな鳴き声を出す
  • 前足で口をこするような仕草をする

猫がこのような行動を示していたら口が痛いのかもしれません。

猫はデリケートな生き物です。
猫の口の痛みを放置しているとそれがストレスになって食欲や元気が無くなってしまったり、様々な病気を引き起こす可能性があります。
猫の口の痛みのサインに気がついたらなるべく早く動物病院を受診しましょう。

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猫の口の痛みの原因

猫の口の痛みの原因には

  • 歯周病
  • 歯肉口内炎
  • 口の骨の吸収性病巣

などがあります。

それぞれについて詳しく解説いたします。

歯周病

歯周病は歯についた汚れに含まれる細菌が歯肉などに炎症をおこす病気です。
3歳以上の猫の7〜8割が歯周病であるといわれています。
歯周病を放置していると歯肉に炎症が広がったり、歯を支えている骨が破壊されたりして痛みが生じることがあります。

歯肉口内炎

ウイルス感染や細菌感染が原因で口の中の粘膜に炎症が起きている状態を歯肉口内炎といいます。
原因ウイルスには

  • 猫カリシウイルス
  • 猫ヘルペスウイルス
  • 猫免疫不全ウイルス
  • 猫白血病ウイルス

などがあります。
元々野良猫だった保護猫や、外飼いの猫ではこのようなウイルスへの感染が多いです。
歯周病が原因で歯肉口内炎になる場合もあります。
歯肉口内炎では口の中の粘膜に痛みが出ます。

口の骨の吸収性病巣

骨が溶けてしまった状態のことを骨の吸収性病巣といいます。
歯周病や歯肉口内炎が悪化すると歯や歯を支える骨が溶け、骨の吸収性病巣がレントゲンでみられるようになります。
口の中に腫瘍ができた場合にも口の骨の吸収性病巣が見られることがありますね。
口の骨の吸収性病巣がある場合はとても痛みが強いです。
溶けた骨の周りの神経が刺激されて痛みを感じたり、食べ物を噛もうとすると脆くなった骨が折れそうになって痛みを感じることがあります。

猫の口の痛みの治療

診察される茶白猫

猫の口の痛みの治療方法には

  • スケーリング
  • 抜歯
  • その他の外科手術
  • 内服薬

などがあります。

歯周病などで歯についた歯垢や歯石を取り除く必要がある場合はスケーリングをします。
歯の根本が傷んでいる場合やグラついている歯は抜歯が必要な場合もありますね。

骨の吸収性病巣がある場合は根本治療が難しいです。
特に腫瘍による骨の吸収性病巣があるときは腫瘍を骨ごと摘出するような外科手術が必要になることもあります。

歯肉口内炎などでは抜歯やスケーリングなどの外科処置までの間に、炎症を鎮静化する目的で抗生物質や消炎剤などの内服薬を投与することが多いです。
歯肉口内炎の原因がウイルス性の感染症である場合は抗ウイルス薬などが必要な場合もありますね。

猫の中には骨の吸収性病巣があって痛みが強いにもかかわらず、病気や年齢がリスクとなって手術が困難なこともあります。
そのような場合には痛み止めの薬を使って痛みをコントロールする方法があります。

猫の口の痛みの予防法

猫の口の痛みはお家でのケアである程度予防することができます。

猫の口の痛みの予防方法には

  • ご飯の種類を工夫する
  • デンタルケアをする

などがあります。

それぞれについて解説します。

ご飯の種類を工夫する

歯周病予防の観点からいうと、ウェットフードよりもドライフードの方が好ましいです。
ウェットフードはドライフードに比べて歯にくっつきやすいため、歯垢や歯石がつきやすいといわれています。
近年はデンタルケア用の特殊なフードも販売されています。
たくさんの選択肢の中から愛猫に合うフードを選んであげましょう。

デンタルケアをする

口の痛みを予防するためには日々口の中を清潔にすることと、口の中をよく観察することが大切です。
その両方を叶えられるのがデンタルケアです。
猫のデンタルケア商品には

  • 歯ブラシ
  • 歯磨きシート
  • 飲み水に混ぜるタイプのもの

などがあります。

猫の性格に合わせて、1番継続しやすそうなものを選んであげてください。
猫は口が小さくデリケートな性格の生き物であるため、犬に比べてデンタルケアが難しいです。
猫のデンタルケアを始める時はなるべくストレスを与えないように少しずつ慣らしてあげると良いでしょう。

まとめ

あくびをするラグドール

いかがでしたか?

猫はとても繊細な生き物です。
歯石が歯についていることが気になってご飯を食べられなくなってしまう猫もいます。
猫の口の痛みには腫瘍などの重篤な病気が隠れていることもあります。

日頃から猫をよく観察して
「口が痛そうだな。」
「口の中に何か違和感がありそうだな。」
と思ったらなるべく早く動物病院に連れて行きましょう。

当院は歯科診療に力を入れています。
猫の口の痛みにお悩みの際はぜひ当院にご相談ください。

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