猫の口腔内メラノーマについて|気が付きにくい口の中の腫瘍とは?

あくびをしている猫

「最近、口の中にできものがある気がする…」
「ご飯を食べる時に痛がる様子がある...」
「口臭が強くなった気がする」
こんな悩みを抱えていないでしょうか?

もしかしたらそれは口腔内の腫瘍が原因かもしれません。
今回はそんな口腔内腫瘍の一つ「猫の口腔内メラノーマ」についてお話しします。

この記事では

  • 口腔内メラノーマとは?
  • 症状はどんなものがあるのか?
  • 治療方法は?

などについて解説しています。

猫の口腔内メラノーマは早期に発見し治療することがとても大切。
最後までお読みいただいて、猫の口腔内メラノーマの早期発見に繋げていただけると幸いです。

猫の口腔内メラノーマとはどんな腫瘍?

口腔内メラノーマ(悪性黒色腫)は、猫の口の中にできる悪性腫瘍の一つで、メラニン色素をつくる「メラノサイト」という細胞が腫瘍化したものです。
口腔内以外にも皮膚・眼など、体のさまざまな場所に発生します。
猫での発症は比較的まれですが、発見が遅れると進行が速く、転移のリスクが高いため、注意が必要です。

メラノーマは、黒い色素(メラニン色素)を持つ細胞が腫瘍化したものなので、多くは黒っぽい色を呈します。
しかし、必ずしも黒く見えるとは限らず、桃白色などの粘膜色を呈することもあります。

特に口腔内に発生したものは悪性度が高いとされ、顎の骨や周辺組織に広がっていくことが多いとされています

口腔内メラノーマの症状は?

ご飯を食べているキジトラ猫

口腔内メラノーマの症状は初期段階でほとんど気が付かないことが多いです。
病気が進行してくると、以下の症状がよく見られます。

  • 口臭が強くなる
  • よだれが増える
  • 食欲はあるのにうまく食べられなくなる
  • 口元を気にする
  • 顔の腫れや変形が見られる

口腔内の病変は、初期の症状がとても分かりにくく、気づいたときには進行してしまっているケースが多いです。
これらの症状がないかどうかを日々の生活の中で見ておくと良いでしょう。

口腔内メラノーマはほっといても大丈夫?

口腔内メラノーマと診断された場合、ほっといているとほぼ確実に進行していきます。

「小さいから大丈夫かな」
「気にしてないから様子見にしておこう」
「悪化したら病院へ連れて行こう」
と様子見をしていると、みるみる大きくなり、気がついたら体中に転移してしまって治療ができない場合もあります。
口腔内メラノーマと診断されたらできる限り早く治療を開始するのが良いでしょう。

口腔内メラノーマの治療方法は?

口腔内メラノーマの治療は大きく分けて 

  • 外科手術
  • 放射線治療
  • 内科療法(抗がん剤など)

があります。

外科手術

猫の口腔内メラノーマは、可能な範囲で腫瘍とその周囲を大きく切除する「広範囲切除」が必要になります。
腫瘤の場所によっては顎の骨を切除する大きな手術が必要になる場合もあります。

ただし、顎の骨を切除すると、食事を取らなくなることが多いです。
そのため、胃瘻チューブなどの直接体の中に食事やお薬・水分を入れるための装置が必要になってくることもあります。

放射線治療

放射線治療とは、腫瘍に放射線を当てることで、がん細胞の増殖を抑えたり死滅させたりする治療です。

  • 外科手術が不適応な場合
  • 転移があるがQOLの向上を目的とする場合
  • 外科手術後の追加療法

などでは放射線治療が選択となります。

内科療法

内科療法には

  • 抗がん剤
  • 分子標的薬
  • 鎮痛・抗炎症薬

などの種類があります。

抗がん剤

口腔内メラノーマへの抗がん剤は効果が強いとは言えません。
転移の抑制や腫瘍の進行を遅らせる目的で使用されることがあります。

分子標的薬

分子標的薬とは、腫瘍の増殖に関わる特定のタンパクをピンポイントで抑える薬です。
腫瘍の血管の形成を抑え、進行を遅らせる効果が期待できます。

鎮痛・抗炎症薬

口腔内メラノーマは、進行してくると、

  • 痛み
  • 炎症
  • 出血

などが症状として出てくる場合があります。
痛み止めや炎症を抑える薬は、苦痛を和らげ生活の質(QOL)を向上するために重要になってきます。

予後は?

猫の口腔内メラノーマは進行が早く、診断時にはすでに進行していることが多いため、治療を行っても数ヶ月〜1年ほどの予後となることが珍しくありません。
ただし、早期発見、腫瘍が小さい段階での完全切除、放射線との併用療法によって、猫の生活の質(QOL)を保ちながら過ごせる期間が延びることもあります。
口腔内のチェックを定期的に行い、ささいな変化を見逃さないようにしましょう。

まとめ

抱っこされている白黒猫

猫のメラノーマは発生頻度こそ多くありませんが、進行が速く、治療選択が難しい腫瘍です。
また、口の中の病変は見落としやすく、気付いた時には進行している場合が多いため、定期的に口の中をチェックしてあげましょう。

口腔内メラノーマは早期発見が治療成功の大きなポイントになります。

「最近、口臭が強くなったかな?」
「なんだかよだれの量が増えている気がする」
「口の中に小さなできものがある」

など些細なことでも構いませんので、何かおかしいかな?と思ったらいつでも相談してください。