犬の口臭の原因とは?においでわかる病気のサインと自宅でできるケアを獣医師が解説
「最近うちの子の口が臭くなってきた気がする」
「歯磨きをしているのに口臭がなくならない」
このようなお悩みをお持ちの飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか?
犬の口臭は多くの場合、歯周病などの口の中のトラブルが原因です。
ただし、においの種類によっては内臓の病気が隠れていることがあります。
今回の記事では、犬の口臭の原因をにおいの種類ごとに解説しています。
さらに自宅でできるケアや受診の目安についてもご紹介します。
犬の口臭でお悩みの飼い主様はぜひ参考にしてください。

犬の口臭の主な原因
犬の口臭の主な原因は、大きく分けて次の3つです。
- 口の中の病気
- 内臓の病気
- 生活習慣や食事
犬の口臭で最も多い原因は歯周病です。
歯周病は3歳以上の犬の約80%でみられるとも言われています。
一方で口の中がきれいなのに口臭が続く場合は、内臓の病気が隠れていることがあるため注意が必要です。
においの種類や口臭以外の症状もあわせて確認することで原因の見当がつけやすくなります。
日頃から犬の様子を確認しておくことが大切です。
犬の口臭の原因はにおいでわかる?
犬の口臭は、においの種類によって疑われる原因が変わります。
犬の口臭で代表的なものは以下の4つです。
- 腐敗臭や生臭いにおい
- 尿のようなにおい
- 甘酸っぱいにおい
- 便のようなにおい
ここからは代表的な4つのにおいと、それぞれに隠れている可能性のある原因を解説します。
「うちの子の口臭はどれに近いかな?」と確認しながら読んでみてください。
腐敗臭・生臭い犬の口臭
犬の口臭が腐ったようなにおいや生臭い場合は、歯周病や腫瘍が原因として考えられます。
歯周病は歯垢に含まれる細菌によって歯肉やその周囲に炎症が引き起こされる病気です。
歯周病が進むと歯肉から出血し、細菌が産生するガスと血のにおいが混ざることで独特の腐敗臭になります。
犬の口の中の腫瘍が壊死したり腫瘍から出血することによっても強い腐敗臭を放つことがあります。
犬の歯周病や口の中の腫瘍では口の痛みから、よだれの増加や食べづらそうな様子がみられます。
犬の口臭とあわせて口が痛そうな様子や口の中にできものがみられたら、早めに病院を受診しましょう。
尿のような犬の口臭
犬の口臭が尿のようなにおいの場合、腎機能の低下が関係しているかもしれません。
犬の腎機能が低下すると老廃物を十分に排出できず、血液中に老廃物の成分が溜まります。
この成分が呼気に混じって尿のような口臭が生じる可能性があります。
腎機能が低下した犬では飲水量や尿の量が増えることが特徴です。
尿のような口臭と合わせて、犬にこのような症状がみられたら早めに病院を受診しましょう。
甘酸っぱいにおいの犬の口臭
犬の口臭が甘酸っぱいにおいの場合、糖尿病が関係している可能性があります。
糖尿病が進行すると体内でケトン体という物質が増え、これが呼気に混じって甘酸っぱいにおいとして現れることがあります。
この口臭がするときは糖尿病性ケトアシドーシスと呼ばれる重篤な状態かもしれません。
糖尿病性ケトアシドーシスは放置すると命に関わるため注意が必要です。
犬の糖尿病では水を飲む量の増加や体重の減少などの症状がみられます。
犬の甘酸っぱい口臭のほかに、水をたくさん飲む、痩せてきたなどの症状があればすぐに病院を受診しましょう。
便のようなにおいの犬の口臭
犬の口臭が便のようなにおいの場合、消化器の病気が関係している可能性があります。
腸閉塞など重度の消化器疾患では、嘔吐や食欲不振とともに独特の口臭が認められることがあります。
激しい嘔吐やぐったりした様子がみられるときは緊急性が高い状態です。
犬の口臭のほかにこのような症状が見られたら、ためらわずに病院を受診しましょう。

犬の口臭を防ぐために自宅でできること
歯周病などが原因の犬の口臭は、自宅でのケアによって予防ができます。
予防として最も効果的なのは歯ブラシによるブラッシングで、毎日行うことが理想です。
歯磨きを嫌がる場合は口元に触れることから少しずつ慣らしましょう。
どうしても難しい場合はデンタルガムや歯磨きジェルを活用する方法もあります。
歯磨きほどの効果は期待できませんが、まずはできることから始めてみましょう。
犬の口の中の乾燥も口臭の原因になります。
飲み水を複数の場所に置く、部屋の室温や湿度を適切に保つなどを行うことで、口の中が乾燥しないような工夫をしてみましょう。
病院を受診すべき犬の口臭の目安
犬の口臭が自宅でケアを続けても改善しない場合や、体調の変化を伴う場合は病院を受診しましょう。
犬の重度の歯周病では自宅でのケアだけで対処するのは難しく、歯石除去や抜歯などの治療が必要になることがあります。
また腎臓病や糖尿病などでは口臭のほかに、嘔吐や食欲の低下などの症状を伴うことが少なくありません。
「口臭だけでなくなんとなく元気がない」と感じたら、自己判断せずに早めに病院を受診しましょう。

まとめ
犬の口臭の多くは歯周病など口の中のトラブルが原因です。
特に歯周病は犬の口臭の最も一般的な原因であり、毎日の歯磨きが予防の基本です。
においの種類によっては内臓の病気が隠れていることもあります。
犬の口臭の変化や体調の異常に気づいたら早めに病院を受診することが大切です。
当院は犬の歯科診療に力を入れています。
自宅でのデンタルケアのご相談や、犬の口臭でお悩みの場合は、お気軽に当院までご相談ください。


